今年はどうなる? 「土用の丑の日」商戦をサキヨミ分析

「土用の丑の日」商戦をサキヨミ分析

猛暑が続く2017年夏。東京でも最高気温が30度を超える日が続いており、夏バテ気味の方も多いのかもしれない。そんな厳しい季節にスタミナ食として知られるのがウナギだ。今回は「土用の丑の日」商戦に迫り、本格化するウナギの販売動向を分析してみた。

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ウナギ供給量の推移

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水産庁の資料によるとウナギの国内供給量は平成12年の16万トンをピークに減少している。この理由は中国で養殖に用いられたヨーロッパウナギの資源減少によるものであるとされている。またヨーロッパウナギは平成19年にワシントン条約の附属書に掲載され平成21年から貿易取引が制限されている。近年日本におけるウナギの供給量は減少傾向にあることが分かる。

楽天市場のウナギ関連商材の販売動向

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上記は楽天市場内でのウナギの販売動向を2015年6月から2017年6月まで表したものである。先日公開した父の日商戦の分析記事(父の日商戦の記事はこちら)でも触れたように、「父の日」の贈答用としてもウナギは人気があり6月がトップシーズンであることが読み取れる。その他では、「土用の丑の日」や「お中元」商戦が開催される7月、年末商戦のある11月・12月が盛り上がりをみせる。

平均価格が大幅下落している2017年土用の丑の日商戦

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上記は2017年7月15日までのデータを基に作成した楽天市場のウナギカテゴリの商品ランキングである。商品名を見ると上位10商品全てが国産品となっている。商品価格の平均値は約6406円、商品評価も4.6と高い水準となっている。ランキング1位の商品は養殖生産量日本一と評される鹿児島県大隈半島産の商品であり、約1億円の売上が発生していると見ている。

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2017年のランキングとの相違点として目立つのが、ふるさと納税関連商品の消滅である。ふるさと納税については、高額返礼品に対する批判が一部メディアから出ており、この批判を受けた形なのかランキングから商材が姿を消している。ふるさと納税関連商品の影響から平均価格は約9934円となっている。

広告の出稿状況

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上記は人気商品ランキング上位店舗A社の広告施策を示したものである。2017年7月4日に楽天市場内の「土用の丑の日」特集ページに商品広告が掲載され、翌日から総合ランキングが368位から18位に上昇し、ウナギカテゴリのランキングでは18位から1位に上昇している。この店舗はトップ特集に広告を出稿することで集客を行っており、これが売上に寄与していると思われる。6月の広告出稿は父の日関連だと編集部では分析している。

総括

7月15日までに弊社のシステムで収集した売上進捗率などのデータを分析すると、7月のウナギカテゴリの売上高は、ふるさと納税の返礼品減少の影響などからやや減少するのではないかと見ている。しかしながら今年は全国的に猛暑が続いていることや、土用の丑の日が2回(7月25日・8月6日)実施される事などから月末にかけて売上を伸ばす可能性も十分あると見ている。

この分析に用いたデータについて

この記事は株式会社Nintが提供するECデータ推計サービス 「Nint(ニント)」に基づき作成されています。記事中の数値はすべて「Nint(ニント)」 が独自のビッグデータ技術を用いて算出した推計値となり、紙面の特性上詳細なデータは省略しております。より詳細なデータをご希望の方や執筆記事にご意見のある方は、こちらからお問い合わせ下さい。なお、上記に展開されているすべての知的財産権等は株式会社Nintが保有しております。また転載・引用されたことにより、利用者または第三者に損害その他のトラブルが生じた場合、当社は一切その責任を負いません。

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